歴史・こだわり
三代目が目指す、これからの品川亭
大正時代から近江牛の味にこだわり、地域に根ざした精肉店として先先代が兄弟で京都と大津で始めた品川亭。
多くの暖簾分けを経ても創業家としての想いを大切に現在は三代目が創業当時の想いを受け継ぎ大切に“看板”を守っております。
大正時代、岐阜県各務原から二人の兄弟が京都市下京区東洞院五条上ルの地で精肉店「品川亭総本店」を創業。
これが京都における「品川亭」の始まり。
その後、兄・遠藤毅一は京都で「品川亭総本店」を、弟である当店初代・遠藤芳男は、大津市浜大津に「品川亭精肉店」を開業いたしました。創業者であるこの兄弟は商いの成功を感謝し、昭和6年4月に故郷の氏神である手力雄神社に鳥居を寄進いたしました。


400年もの歴史を持つブランド牛・近江牛。とろけるような美味しさ、繊細で深みのある旨味が世界に認められ、今では世界のトップレストランで評価も高まっております。
近江牛・品川亭は、その美味しさを多くの皆さまに味わっていただきたいとの想いで、地域の皆さまから地道に広げてきました。
二代目から近江牛をもっと手軽に食していただけるよう、コロッケを店頭で揚げ、熱々のホクホクを子供から大人まで楽しんでいただくようになりました。
今の三代目で働くお母さんの味方として、キャベツの千切りとコロッケを提供し、買って帰り、ご自宅で器に盛ればそのまま晩ご飯として食していただける工夫も行いました。(現在このサービスはございません)
京都店では、近江牛の旨味を存分に楽しめる「近江牛ロースすき焼き定食」「近江牛ロース牛丼定食」を始め、ご自宅でも近江牛から、近江牛の商品を開発・オンライン販売もスタートさせ、京都・大津を訪れた方をはじめ、全国に近江牛を発信しております。
これからも、近江牛の美味しさ・素晴らしさを“食”を通して知っていただけるように挑戦し続け、次の世代に受け継いでいきたいと思います。

取り巻く山々から、美味しい水が絶え間なく流れ込む「母なる琵琶湖」
滋賀の豊かな自然環境で400年に渡り育まれてきた近江牛は、日本で最も長い歴史と伝統、そして至高の品質を持って知られてきました。
きめ細かい肉質・上品な脂の旨み・芳醇な香り。
生産者・加工社販売者・料理人が手間ひまをかけてお届けする近江牛は、全体に細かく入った芸術的で美しいサシ(脂肪)は、艶やかでサラッとしており、また融点が低いために魅惑の食感を実現しています。オレイン酸を多く含むことに起因するしつこさのない甘い脂、芳醇な香りが織りなす完成度の高い至高の旨みです。
その近江牛をさらに選別するために契約する生産者・畜産農家の方々にも教わりながら、良い肉を選ぶ“目”を養い、お肉を大切に良い肉を選んできました。
高い品質の中でもさらに肉質にこだわり、お客さまに提供するお肉・近江牛には絶対の自信を持っております。
コロッケをはじめ、近江牛の旨味を生かした“味”をこれまで愛していただいている皆さまに変わることなく守っていきます。

近江牛美味しさの秘密
「最高のおいしさ」をつくる滋賀の風土
近江牛の美味しさの理由に、日本最大の湖・琵琶湖の存在があります。
琵琶湖を囲む山々を源流とする400以上の清流は、古来より農業や畜産の産地として名高い肥沃な土壌を作りだし、食通に評価の高い近江米や、個性豊かな近江の地酒を生み出してきました。
また、夏は暑すぎず冬は寒すぎない現境が飼料となる牧草を育み、水とともに近江牛の肉質や風味を高いものとしてきました。風光明媚な滋賀の風士をあらわした存在が、近江牛と言えるでしょう。

手間ひまかけて牛を育てる
滋賀県東部を中心に、県内の幅広い地域が近江牛の生産拠点となっています。一帯は、近江米の生産をはじめ農業の盛んな地域として知られ、昔より農耕用に多くの牛が使役されてきました。
牛を健全に肥育するための、豊富な稲わらをはじめとした飼料と、気候条件に恵まれた土地柄。素晴らしい環境で手間ひまをかけられ、牛たちはストレスなく健やかに育てられています。

国に登録された品質特性
地理的表示(GI)保護制度
近江牛は平成29年12 月、品質特性のあるブランド産品として国の地理的表示(GI) 保護制度に登録されました。
地理的表示保護制度とは、品質等の確立した特性が生産地と結びついた産品について、国が品質の基準とともに、その名称(地理的表示)を知的財産として登録し、保護する制度です。登録されることにより、品質特性がある産品として国のお墨付きが得られるとともに、GIマークの付与によりその品質が保証されます。

データが示す近江牛の美味しさ
牛肉には、香りや風味、美味しさに関与しているといわれるオレイン酸が含まれており、近江牛はオレイン酸を他の産地の黒毛和種と比べて多く含んでいます。
平成26年度に滋賀食肉市場で取引された近江牛1,499頭のオレイン酸の平均含有割合は56.6%(雌牛57.1%、去勢牛(※1)55.4%)で、牛枝肉取引規格(公益社団法人日本食肉格付協会)別では、3規格が最も多く、以下、4、5、2規格の順でした。
数値についてはまだ不明な点が多く、また測定部位によって値は異なるため、一概には判断できないものの、他のブランド牛がプレミアム牛肉として認定している55%を平均で大きく上回っています。
また、不飽和脂肪酸であるオレイン酸は融点が低いことが分かっており、これらのことが脂の口溶けの良さや香りの良さといった近江牛の特徴につながっています。
枝肉成績についても、いわゆる上物率(4規格以上率)は全国平均を上回っており、脂肪交雑(※2)面でも優れています。
(※1)去勢された謹牛のこと。(※2)牛肉の肉質の評価で重要とされる指標の一つ。霜降り度合いのこと。
